アニメ漫画の都市伝説


カテゴリ:寄生獣

アニメ版の寄生獣には、「セイの格率」という副題がついている。
原作には一切その言葉は出てこないのだが、この言葉は一体何を意味するのだろうか。

まず、「格率」という言葉は、18世紀後半のドイツの哲学者カントが提唱した哲学用語で、“自分の持つ行為規則”と定義されている。行動理由や原理のようなものだ。

この「格率」が広く認められるものであるなら、自分は道徳的である、ということになる。

簡単にいえば、“当たり前のように守っている概念”のようなものだろう。

「寄生獣」という作品は、人間に寄生して人間を食べる「寄生生物」側、最初は捕食されるがままであったが後に反撃に転ずる「人間」側、そしてその中間者として存在する「新一とミギー」側という三者によって成立している。

それぞれが、自分のルール、すなわち「格率」に基づいて生きていると言えるだろう。

残酷な描写もある一方で、物語の軸には哲学的なテーマがあるということを、この「セイの格率」という言葉で表現したのではないだろうか。

そして「セイ」は、「生」「正」「性」「聖」などの「セイ」という音で連想される言葉が、作品の重要なキーワードになっているということなのだろう。

泉新一の父親、名前は泉一之(かずゆき)。

フリーのルポライターという職業柄か、新一が真実を打ち明けることはなく、物語に積極的に参加することは少ない。

そんな父親だが、妻である信子との仲の良さが伺える場面がある。

第一話で、新一の部屋にやってきた父と母が同じ柄のパジャマを着ていたのだ。“*”のような柄のペアルックである。

しかし、信子の死後、一人お酒を飲んでいるシーンではストライプのパジャマを着ていた。

妻を思い出してしまうから、ペアルックはもう着られないということだろうか。

あまり注目されることがない新一の父親の心情が垣間見えた瞬間だ。

作中で最強のパラサイトで、ラスボス的な存在の後藤。

この後藤に寄生しているパラサイトの数について矛盾と疑われる部分があるのだ。

後藤は田村玲子が作り上げたパラサイト集合体。体には5匹のパラサイトが宿っている。

後藤というのはその肉体を統率しているパラサイトの名前で、他4匹のパラサイト達を従えている。
その統率力は凄まじく、パラサイトが5匹宿っているにもかかわらず、その意識は1匹として数えられる。

矛盾点と言われているのはここからだ。

後藤と新一&ミギ―がはじめて顔を合わせたのは、市長選を控えた広川が演説をしているシーン。

パラサイトは他のパラサイトの位置を察知することができるのだが、ここでミギーが「壇か何かの上に6人、低い位置に2人だ!」と発言する。

この時、壇の上にいたのは、広川、後藤、草野、他3人の計6人。
この時点ではこの6人全員がパラサイトなのだろうと思うだろう。

しかし、後に広川がパラサイトではなく普通の人間であることが判明する。

ということは、演説時にいたパラサイトの数は最大でも5匹ではないのか…

こういった矛盾が生じるのだ。


完全に集合体の意識を1匹に統率できる後藤だが、後にこのような発言もしている。

「完全に1つにできるのはおれだけだ しかし ここまでできるようになったのも実は最近の話でね」

つまり、広川が演説していた時、後藤はまだ完全な統率者になれてはいなかった、ということではないだろうか。

そのため、ミギーが言った“6人”というのは、後藤の5匹と草野の1匹ということになるのではないだろうか。

こう考えれば矛盾ではなくなる。

あるいは、パラサイトたちに広川が人間だと思われないために、あえて複数の信号を発信していた可能性も考えられる。

そうすることで同族に警戒されないようにしたのかもしれない。

岩明均による人気漫画「寄生獣」。
2014年になってはじめてアニメ化や実写映画化などのメディアミックス化が行われ話題となったが、連載の完結から約20年間、高い評価を獲得しながらも映像化されなかったのはなぜだかご存知だろうか。

実は、ハリウッドが寄生獣の映画化の企画を進めていたためなのだ。

そのための映画化権をニュー・ライン・シネマが10年近くにわたり保持していたため、他では映像化することが出来なかったのである。

しかし、ハリウッドでよくあるように、企画の段階でプロジェクトが休止し、2013年に契約自体が失効。

そこでかねてより寄生獣に目を付けていた日本国内数十社による争奪戦の末、東宝が権利を獲得し映画化されたのだった。

岩明均による人気漫画「寄生獣」。
謎の寄生生物と共生することになった、平凡な高校生・新一の数奇な運命を描く物語だ。

この寄生獣という作品は「PARASITE」というタイトルの海外版も存在する。

ところで、主人公の右手に寄生した生物(パラサイト)は右手にちなんで「ミギー」という名前だが、海外版ではどうなっているのかご存知だろうか。

なんと、英語版では「LEFTY(レフティ)」という名前になっているのだ。

「LEFTY」は左を意味する「LEFT」からきており、要は日本語では「ヒダリー」ということになる。

なぜ「RIGHTY(右=ライティー)」ではなく左右逆の「LEFTY」になっているのだろう。


英語版の漫画は日本とは逆の左開き。漫画のコマは左から右へ読むようになっている。

そのため、日本の漫画が英語版になるときは原稿を左右反転させることになっていたのだそうだ。

そのため、寄生獣のミギーが寄生した場所も英語版では「左手」となり、レフティーという名前になったのだ。

最近の作品は英語版でも左右反転しているものは少ないようだが、寄生獣がはじめて海外で売られた頃は他の漫画でも左右反転しているものが多のだとか。

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