アニメ漫画の都市伝説


アニメ「アルプスの少女ハイジ」の原作となった「ハイジ」。

この作品が、出版の50年前に書かれた作品に類似していると伝えられたことがあった。

発端はドイツのフランクフルトで研究活動をする若手文学研究者、ペーター・ビュトナー氏が指摘したことから。

ビュトナー氏は児童作品展の準備中に、偶然、1830年頃ドイツ人作家が出版した「アルプスの少女アデレード」という童話本を発見した。

「ハイジ」は一般的に「アデレード」の愛称であり、山間部に祖父と暮らす少女が外国の都会に引っ越さなければならなくなる筋書きや、使われている文章などがそっくりだったというのだ。

「アルプスの少女ハイジ」は1880年に出版。
作者であるヨハンナ・シュピリは、1901年に亡くなっている。

マスメディアは「(スイスの象徴である)ハイジの神話が崩壊」などと報じた。

しかし、発見した研究者は、

“私は盗作とは言わない。シュピリは作品の一部を使っただけで、シェークスピアやゲーテも同じことをやっている”

とコメントしたのだとか。

文学作品を映像化する際、原作を改変することはよくある。

この「アルプスの少女ハイジ」もそういった作品の一つだ。

原作との相違点はいくつかあるのだが、そのひとつが、主人公ハイジと暮らす「アルムおんじ」のキャラクターである。

「アルム」とはアルプス地方の牧草地のこと。
「アルムおんじ」は「牧草地のおじさん」という意味になり、名前は伏せられている。

これは原作も同じだ。

だだし、原作にはおんじの過去も描かれていて、これがなかなか波乱万丈なのだ。

-おんじの生まれは、ドムレシュクの裕福な農家。
青年期は金持ちの不良息子で、周囲にいばりちらし、生活は荒れ放題だった。

農家を継ぐも、いかがわしい連中とのつき合いで酒ばかり飲んでは、賭事にはまり、そのあげく農場や家まで失ってしまう。

そして、これが元で両親が死んでしまう…。

放浪の末、ナポリで軍隊に入るが、ケンカで人を殺して軍を脱走。

そして15年程行方をくらませていたという。

その後、グラウビンデン州の女性と結婚し、息子(ハイジの父)を授かるが、今度は妻を亡くす。

息子と共にデルフリ村にやってきて、大工として暮らしはじめるが、今度は、仕事中の事故で息子を亡くしてしまうのだ。

このように不幸が続くのは、おんじが神を畏れない暮らしをしてきた罰だとして、村人はおんじを責め、牧師は懺悔をおんじに要求した。

しかし、おんじはそれに反発し、誰とも口をきかなくなってしまった。

村人もおんじを避けるようになり、そのうちおんじはアルムの山頂に家を建て生活するようになったのだという。

あの偏屈さの陰には、そんな過去があったのだが…

アニメ化にあたっては、大幅カット。おんじは、ただの偏屈じいさんとして描かれている。

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