アニメ漫画の都市伝説


カテゴリ:あしたのジョー

力石徹は矢吹ジョーの最大のライバルとして登場する。

当初力石はジョーの少年院の中だけのライバル、という設定だったが、原作の高森朝雄氏が力石の顔を大変気に入ったという。

力石とジョーをプロのリングで戦わせたい。

そう言う高森氏だが、困ったのは絵を描いていたちばてつや氏。

なぜなら2人を戦わせるには体格差がありすぎたのだ。

高森氏は登場人物について体格などの具体的な設定をせず、セリフや言動で雰囲気を出す描き方をしていた。

そのため、ちば氏の中では「少年院の番長格」というイメージで力森をジョーよりも一回り大きく描いていたのだという。

初登場のシーンでの2人の体重差は約10~14kgくらい。
ボクシングで言うとバンタム級とウェルター級の差くらいである。

少年院での殴り合いなら体格差など問題にならないが、プロで対決するとなれば、当然、体重別の階級がある。

このままではストーリーに破綻をきたしてしまう。

2人を戦わせるには力石の体重をジョーの階級の体重に落とす必要があった。

ジョーを太らせる方法もあったが、ちば氏はそれでは絵にならないと思い、力石に厳しい減量をさせたのだ。

苦肉の策のように見えるが、結果として、力石が減量に苦しみ、絞り抜いた身体で鬼気迫る戦いを見せるシーンはこの漫画の最大のヤマ場となった。

この壮絶な戦いがもとで命を落とした力石は“ヒーロー”として絶大な人気を得たのである。

ジョーは生きていた。

世代を超えて読み継がれている故・梶原一騎氏(1987年没、享年50)原作のボクシング漫画「あしたのジョー」。

原作者の実弟で作家の真樹日佐夫氏は、リング上で“死んだ”と解釈されてきた主人公の矢吹丈がその後も生き続ける“幻のラストシーン”があると語った。

矢吹が『白い灰』となる結末の裏には、お蔵入りとなった梶原氏の原稿があったのだという。

それは、最終回の白く燃え尽きるコマの前に、段平がジョーのそばに行って『お前は試合に負けてケンカに勝ったんだ。そう思え』とリングで語りかけるというもの。

さらに時が流れ、ジョーはパンチドランカーとなっている盟友カーロス・リベラとともに療養所の庭のような所にいて、日差しの中、2人して笑顔で戯れているシーンで終わっている、という内容だったそうだ。

しかし、作画を担当した漫画家・ちばてつや氏はこの案に『これだけ長く15回戦の試合を描いてきたのに、いくら何でも段平の“ケンカに勝った”はないでしょう』と猛反対。結果、“あの”結末になったのだという。

白黒をつけずに複数の解釈を可能とした『ちば版』のラストは作品を不朽の名作に昇華させたが、真樹氏は兄の死後も、その遺志をくんで続編を模索してきたそうだ。

「メンドーサは王座防衛後、自身のパンチに恐怖を感じ、ベルトを返上して引退するが、ジョーは追いかけて再戦を要求。療養所の庭のような所で決着をつけるべく戦う。ジョーの原点である少年院でのボクシングに回帰して」というあらすじまで考えられていたという。

しかし『真樹版ジョー』はお蔵入りとなってしまったようだ。

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